国土交通省は、2025年に改正建築基準法、改正建築物省エネ法が施行されることに伴い、指定確認検査機関などでの審査の増加が見込まれることから、検査機関に関する基準の見直しを行った。併せて、デジタル技術を活用したリモート検査の運用指針(4月公表)を踏まえた基準の改正も行う。
対象は、「指定確認検査機関指定準則」「指定構造計算適合性判定機関指定準則」「確認検査業務規程認可基準」「指定確認検査機関の処分等の基準」―の2準則および2基準。いずれも6月21日までパブリックコメントを実施した後、6月末頃の公布、2025年4月1日の施行を予定している。ただし、リモート検査関係の改定については公布と同日に施行する。
このうち「指定確認検査機関指定準則」では、確認検査の業務を行う職員についての要件を変更。これまで指定機関の専任職員かつ確認検査業務に週3日以上専従している者に限定していたところ、改正後は業務実施能力があり、事業年度を通じた就業日数や1日当たりの就業時間が決まっていれば可能となる。確認検査員・副確認検査員の兼業制限も一部緩和され、業務停止命令6月の処分対象からも外れた。これにより職員の多様な働き方に対応できるようになる。
また、リモート検査への対応として、完了検査、中間検査などに関する一定の知識を有する人を、確認検査および構造計算適合性判定の検査補助者として従事させることを認める。ただし、検査補助者は補助的な業務のみを行い、単独での確認検査業務は禁じられている。検査に必要な人数についても、補助員・補助者を含めた人数に変更される。具体的な人数については、検査内容、年度内に予定する審査件数などにより異なる。
リモート検査については、「デジタル技術を活用した建築基準法に基づく完了検査等の検査者の遠隔実施に係る運用指針【令和6年4月版】」(PDF)を新たに公表。検査補助者を現場に立ち会わせ、検査対象建築物の状態、計測・動作確認の状況の映像などを検査者に送信する「リモートB」が追加された。今後、受検者の遠隔立会いと検査者のリモート検査を組み合わせた「リモートC」の運用についても検討・協議が行われる。
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