相鉄不動産(神奈川県横浜市)は5月20、相鉄いずみ野線 ゆめが丘駅前に木造賃貸マンション「KNOCKS(ノックス)ゆめが丘」(神奈川県横浜市)を竣工した。6月22日から入居を開始する予定。設計・施工は三井ホーム(東京都江東区)が担当した。
同物件は、5階建ての木造建築物(1階のみRC造)で、2~5階が総戸数74戸の賃貸住宅、1階はクリニックモールが開業する。三井ホーム初の複合用途「MOCXION(モクシオン)」で、最大規模となる。賃貸部分は、1K~3LDKのプランを各階同一に配置することで構造的な負担を軽減。2~5階に木造枠組壁工法を採用し、最上階の屋根には屋根断熱構造材「DSP(ダブル・シールド・パネル)」を使用した。
中層建築物の木造化は、下層階の構造壁の厚さや遮音性が課題となるが、高強度耐力壁「MOCX WALL(モクスウォール)」と「高性能遮音床システム Mute(ミュート)」により、耐力壁のスリム化と、RC造と同等の遮音性、断熱性、耐震性を実現。設計の自由度を高め、有効床面積を増加させた。
同物件は主要構造部に木材を使用することで、鉄骨造や鉄筋コンクリート造よりも建設時のCO2排出量を大幅に削減し、建物に長期間炭素を固定化。一部の床根太に国産材を使用したLVL(単板積層)材を使用したほか、1階風除室とエントランスホールの一部の壁を天然木クロスと天然木パネルで仕上げるなど、内装にも木材を活用した。木材使用量は765㎥、炭素貯蔵量(CO2換算)はスギ1295本に相当する654t₋CO2。一次エネルギー消費量の20%以上の削減を実現し「ZEH-M Oriented」を取得している。
同事業は国産材を含めた木材使用による建築物の計画が評価され、国土交通省の「優良木造建築物等整備推進事業(令和4年度第Ⅱ期募集)」と、横浜市の「木材利用優良建築物」に採択されている。
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