2024年版「中小企業白書」「小規模企業白書」(経済産業省・中小企業庁作成)がこのほど閣議決定された。能登半島地震の状況と、新型コロナウイルス感染症で受けた影響について分析したほか、中小企業の現状と直面する課題、今後の展望などについてまとめている。
中小企業・小規模事業者が直面している課題では、企業の人手不足が深刻化していることを取り上げた。少子化により就業者数の増加が見込めない中、省力化への投資や単価の引上げを通じた生産性向上が求められている。
主な内容は次の通り。
能登半島地震の被害は広範囲に
◇能登半島地震では、北陸三県、新潟県などに主要な生産拠点を持つ企業や地場企業、セットメーカーなどの広い範囲で、建物や設備の損傷などの被害を受けた。その被害額は約1.1~2.6兆円と推計されている。(※内閣府調査)
◇BCP(事業継続計画)を策定する企業は、2023年時点で15.3%にとどまっているが、近年災害が増加傾向にあることを背景に年々増加する傾向にある。BCPを策定している企業のうち、約半数が「従業員のリスクに対する意識が向上した」と回答している。(※東京データバンク調査)
◇コロナ禍では、約半数の中小企業が「持続化給付金」「政府・民間系機関による実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)」「雇用調整助成金」を利用。ゼロゼロ融資を利用した割合は、建設業では「政府系」が40.8%、「民間系」が43.8%だった。ゼロゼロ融資を受けた企業の倒産率は、比較的低い水準(5.7~8.3%)に抑えられたことが分かった。(※東京商工リサーチ調査)
人手不足と賃上げが重要課題に
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