東京ガス(東京都港区)は5月15日、太陽光発電システムの施工などを行うフルコーホールディングス(埼玉県三郷市)を子会社化したことを発表。さらに16日、同社の完全子会社の東京ガスリノベーション(東京都品川区)が、塗装・防水工事など外壁工事を手掛けるマルリョウ(東京都昭島市)と、その子会社のあすなろ工房(埼玉県戸田市)の2社を子会社化したことを明らかにした。
フルコーHDは、太陽光発電システム・設備の施工・メンテナンス、建築・土木工事、屋根工事、電気・管工事などを手掛けるグループ企業。東京ガスは今回の子会社化により、同グループが有する全国の施工ネットワークを活用することを目的としている。これにより同社が提供する太陽光発電定額サービス「IGNITURE ソーラー」や、蓄電池の充放電を制御する「IGNITURE蓄電池」など家庭向けソリューションの施工体制を整える。
マルリョウとあすなろ工房は、マンション修繕工事などの塗装・防水工事を得意とする企業。東京ガスリノベーションでは、これまでに専有部のリフォーム工事や、マンション修繕工事の各種設備工事を提供してきたが、マンションのライフサイクルに応じて提供できる工事内容が限られていた。そこで両社が加わることで、外壁部分や共用部の内装工事の提供が可能となり、より総合的なソリューションが提供できるようになるとしている。
東京ガスは中期経営計画「Compass Transformation 23-25」で、主要戦略の一つとして「ソリューションの本格展開」を掲げている。このうち家庭向けのサービスとして、分散型リソース(PV・蓄電池・EV)を活用したDRソリューション(※DR=ディザスタリカバリ、災害復旧)、ラストワンマイルを強みとした修理・家事支援サービスなどの提供を計画している。このような背景から、今回の子会社化は中期経営計画を達成するための布石であると考えられる。
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