国内屈指のパッシブハウスのつくり手・アーキテクト工房Pure(愛媛県松山市)代表の髙岡文紀さんによるエコバウ建築ツアー(主催:イケダコーポレーション)視察記の4回目。舞台をオーストリアからスイスへと移し、性能について独自の基準を定めた同国の住宅認証制度に基づく戸建て住宅を見学した模様をお届けする。
スイスでは、建築家のトーマス・メッツラー氏の案内でエシェンツ村の戸建てミネルギー住宅を視察した。説明によると、戸建て住宅はスイスの認証制度・ミネルギー基準で建築されているという。
パッシブハウスのことは理解していても、ミネルギー制度については、あまり知らないことから調べてみると、1998年に基準化されたのがミネルギー、2002年に基準化されたのはミネルギーPでパッシブハウスの性能、2007年に基準化されたミネルギーP・ECOでは、パッシブハウス性能でさらにエコロジカルな建材を使用する、となっている。パッシブハウスは外皮性能を基準に考えているが、ミネルギー基準は給湯、暖房にかかるエネルギーについて、できるだけ太陽熱やバイオマスなどの自然エネルギーを使用するように一次エネルギー消費量についての厳しい基準が定められているとのことだ。
訪れたエシェンツ村周辺の地域では、持ち家が40%、賃貸住宅が60%で、持ち家に住む世帯は資産のある富裕層だという。賃貸住宅の家賃は400スイスフランと言われており、日本円で約6万5000円~7万円とのことだ。平均年収は2万~2万5000スイスフランとの説明を受けた。
視察した戸建て住宅は・・・
この記事は新建ハウジング5月20日号12面(2024年5月20日発行)に掲載しています。
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