住宅の脱炭素化・高性能化を推進する自治体が増えている。東京都の「東京ゼロエミ住宅」を積極的に活用する清菱建設は、都の補助金を活用して構造計算を内製化し、高性能化に対応する。社長の高橋俊行さんは「自分で計算することで施工も考慮して設計できる」と内製化の利点を挙げつつ、マンパワーを考慮して外部の構造設計事務所とも連携している。
高断熱・高気密については父親の時代、約20年前からLIXILのスーパーウォール(SW)工法に取り組んでおり、3代目の高橋さんもその効果を「中学生の頃から体感していた」が、構造計算の内製化に取り組んだのは2年前のこと。現在は全棟で許容応力度計算を行い、耐震等級3を標準にしている。
同社のスタッフは高橋さんを含め4人。設計も1人いるが「4人で年3棟の規模となると(計算や申請の)専任者を置くのは難しい」ため、高橋さん自ら営業・基本設計や施工管理と並行して構造計算を行っている。
負担を軽減するには外注という選択肢もあるが、全てを丸投げすると「過剰設計によるコスト増」「施工の難易度が高まる」など、工務店(施工者)にとっては頭の痛い問題が発生する。
そのため高橋さんは、外部の設計事務所とも連携して「確認申請用の構造計算」を外部に委託するというフローを構築。社内での設計と並行して構造計算を行い、プランと構造が確定した段階で外部事務所に、構造適合性判定・確認申請が下りるかの確認を依頼。必要な修正も外部事務所に任せている。
何より・・・
この記事は新建ハウジング5月20日号8面(2024年5月20日発行)に掲載しています。
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