長野県は県北部で発生した地震による被災建物の応急危険度判定を実施してきたが、3月15日までに判定を終え、最終結果をまとめた。被害を受けた栄村では、判定した住宅の5分の1にあたる152棟が「危険」と判定された。
応急危険度判定を行った建物のうち、物置などを除いた人の住む住宅は総数755棟。これに対し「危険」が152棟、「要注意」が280棟、「使用可能」が323棟だった。
判定を行ったある建築士によると、基礎に鉄筋が入っていない、壁の量が少ないなど古い耐震基準で建てられた住宅は全般的に被害が目立ったという。また土壁の土が全体にはく落したり、乾式の下地ボードが脱落している建物も多かったとしている。
ただし、同村はいくつもの沢筋を挟んで複数の集落が点在する山間地で「同じ村内でも建物の壊れ方がかなり違う印象を受けた」と同建築士は続ける。「つくり方や構造の違いで助かったというより、場所の違いで揺れ方が違ったのかもしれない」と話す。
同村は一部地区を除き、21日に避難指示が解除されたが、各地で断水が続いているうえ家の片付けや復旧ができないため帰宅できない住民も多い。そのため同村では、避難所を継続して開設している。
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