国土交通省は5月15日、賃貸住宅管理業者および特定転貸事業者(サブリース業者)への全国一斉立入検査結果を報告した。2023年度に立入検査を受けた事業者は全国179社で、そのうち106社に是正指導が行われた。指導率は59.2%で、前年度比で1.6ポイント低下している。
この立入検査は、「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」(2021年6月施行、22年改正)に基づいて、適切な管理業務が行われているかを確認するもの。昨年度と同様に、同法に対する理解不足が見られる結果となった。
指導対象となったのは、①「管理受託契約の締結時の書面の交付(重要事項説明)義務違反」57件、②「賃貸住宅管理業者の帳簿の備付け等義務違反」37件、③「管理受託契約の締結前の書面の交付(重要事項説明)義務違反」26件、④「特定転貸事業者の書類の閲覧義務違反」24件、⑤賃貸住宅管理業者の従業者証明書の携帯等義務違反」22件―など。
最も多かった①締結前の書面交付義務(法14条)違反は、法が定める記載事項を契約書面に記載していなかったもの。中でも、委託者への報告に関する事項、管理業務の実施方法・周知に関する事項の記載が抜けているケースが目立った。法14条では、▽管理業務の対象となる賃貸住宅▽管理業務の実施方法▽契約期間に関する事項▽報酬に関する事項▽契約の更新・解除に関する定め―などを記載した書面を交付することを定めている。
次に多かった②帳簿の備付け義務(法18条)違反では、事業年度ごとの記載をしていない、管理受託契約を締結した年月日、報酬額などの法定記載事項が記載されていないケースが指摘された。法18条では、営業所・事務所ごとに帳簿を備え付け、契約年月日などの事項を記載することを定めている。
誇大広告も指導の対象に
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