住友林業(東京都千代田区)は5月17日、木造施設などの事業用建築ブランド「The Forest Barque(ザ・フォレスト バーク)」の展開を、沖縄県を除く全国で開始した。年間売上目標は30億円。
同社の住宅供給のサプライチェーンを生かし、設計のシステム化にも対応した独自のビッグフレーム構法を採用。優れた耐震性を確保しながら、自由な設計が可能で、事務所や診療所、店舗向けに、木質感ある空間を提案する。
主要構造材には「ビッグコラム(大断面集成柱)」、梁との接合部にはメタルタッチ接合を採用し、自由度の高い設計で開放感のある間取りを実現。内装は構造躯体をあらわしにするなど、木の構造を生かした。
戸建て注文住宅と同じ高断熱仕様で、ZEB Ready基準を実現。暮らすときのCO2排出量(オペレーショナルカーボン)を削減する。全国の営業拠点が企画、設計、見積、施工、アフターサービスまで一貫体制で対応し、「構造躯体」「防水」は最大30年間保証する。
政府が2050年のカーボンニュートラル実現に向け、事務所ビル・商業施設などの「業務部門」の建物のCO2排出量を2013年度比51%削減する目標を設定するなど、事業用建築の木造化・木質化が加速している。同社のオーナーからも住宅と同品質で事務所や診療所などを木造にしたいという要望が年々増加しているといい、今後の需要拡大が見込める木造の事業用建築ブランドを発売した。建てるときのCO2排出量が少なく、炭素を長期固定する木造の事業用建築を推進することで、脱炭素社会の実現に貢献するとしている。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。