エヌ・シー・エヌ(東京都千代田区)が5月15日発表した2024年3月期連結決算は、前回予想から下方修正し、売上高は前期比13.4%減の79億9800万円、営業利益はマーケティングの強化による販管費の増加で同80.3%減の8300万円となった。経常利益は有価証券減損処理に伴う特別損失と営業外損失の計上により同89.5%減の4700万円、最終利益はゼロ(前期は3億200万円の黒字)となっている。年度末までに出荷予定だった案件で工事の遅延が発生したことも業績に響いた。
セグメント別の業績は、住宅分野はSE構法出荷数が前年同期比23.3%減の907棟となったほか、木材価格が大きく下落したことから、売上高は48億8800万円(同31.9%減)となった。SE構法登録施工店は28社の加入により計606社となっている。
大規模木造建築(非住宅)分野は、SE構法出荷数・構造計算出荷数の増加や、一昨年前に翠豊をグループ化し事業領域が拡大したことなどから、売上高は27億5900万円(同61.7%増)と大きく伸長した。SE構法出荷数は136棟(同41.7%増)、SE構法の構造計算出荷数は142棟(同1.4%増)と好調に推移している。SE構法以外でも、グループ会社の木構造デザインで構造計算出荷数が84棟(同61.5%増)に増えた。
環境設計分野は、省エネ性能住宅の補助金受給に関するコンサルティング業務と合わせてサービス提供したことにより、木造住宅、集合住宅、非住宅木造物件向けの一次エネルギー計算書の出荷数は2887件(同15.6%増)に増加。売上高は2億4700万円(同16.0%増)となった。
2025年3月期通期の連結業績予想は、売上高は89億7600万円(前期比12.2%増)、営業利益は2億2300万円(同168.6%増)、経常利益は2億8500万円(同497%増)、最終利益は2億800万円に回復する見込み。
住宅分野は、25年の法改正に向けたウェブマーケティングの効果により、SE構法出荷数を1035棟(同14.1%増)、セグメント売上を55億3100万円(同13.2%増)と予想した。子会社のMAKE HOUSE、翠豊、MUJI HOUSEの黒字化も目指す。
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