人手不足が慢性化し、若い人材の獲得競争も激化する中、家印(富山県朝日町)の社長・坂東秀昭さんは、若い世代に合宿形式で工務店や家づくりの“本質”を伝える「住宅デザイン塾」を企画し、未来の工務店を担う人材の発掘に取り組み始めた。坂東さんは「家づくりの本質や木造建築の価値に気づいてもらい、この仕事が好きで働きたい若者を増やすことで業界を善くしていきたい」と話す。
住宅デザイン塾は、協賛(賛同)工務店がそれぞれホスト役となり、持ち回りで開催される。現在はカネタ建設(新潟県糸魚川市)と松村建築デザイン事務所(長野県野沢温泉村)ら4社が協賛している。
1泊2日の合宿では、ルスカデザイン(山梨県北杜市)の和氣正頼さんを講師に迎え、学生、そして工務店も混ざってプランニングのワークショップを行う。その回の開催工務店は、3日目に短期インターンシップを実施してもよい。運営費は協賛社が担い、学生の負担は懇親会費や交通費のみ。
想定している参加者は高校生から専門・大学生、就職活動中の20代。工務店だけだと発信力に限度があるため、募集においては坂東さんと交流があったITベンチャー・Asian Bridge(アジアンブリッジ)が運営するインターンのマッチングサイト「キャリターン」を利用する。
専攻や経験問わず 「興味ある人」を増やす
坂東さんもインターンや大学訪問を通じて新卒採用を試みたことがある。しかし「優秀な学生は大手が採用してしまうし、そもそも学生は工務店の仕事の価値を知らずに就職活動に挑む」せいで、成果は芳しくなかった。
このプロジェクトは・・・
この記事は新建ハウジング5月20日号1面(2024年5月20日発行)に掲載しています。
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