日本建設業連合会(日建連)はこのほど、建設工事の発注者に対して建設資材の高騰や労務費上昇などの現状を訴えるため、パンフレットを作成し、日建連のホームページで公開した。「建設工事を発注する民間事業者・施主の皆様に対するお願い」(PDF)と、「設備工事費上昇の現状について」(PDF)の2種類。
建設工事を発注する民間事業者・施主への要望では、建設資材高騰・労務費の上昇などの現状として、この38カ月間に建設資材の高騰や労務費の上昇の影響により、仮設費・経費などを含めた全建設コストが、平均で20~23%上昇していることを説明している。
特に設備工事では、大都市圏や地方都市で大型プロジェクトやデータセンターの建設が同時期に進行している影響などで、全国で多くの設備工事で資機材・工事価格が大きく高騰。納期や工事着手に遅延が生じているという。
そこで発注者に対して、①直近の資材価格や調達状況を反映した価格・工期での契約締結、②「民間建設工事標準請負契約約款」を活用した契約締結、③すでに締結された契約における資材高騰に伴う個別協議―を要請し、協力を求めた。
適切な価格・工期での契約締結に向けて、会員各社が直近の状況(価格転嫁・納期遅れなど)を反映した見積りの提出や、見積り提出後に資材高騰が生じた場合に協議に応じること、請負価格や設計の変更に柔軟に対応することを求める内容となっている。さらに契約締結時には、受注者側から工期の延長などを請求すること可能とする「民間建設工事標準請負契約約款」の活用も求めている。
元請による設計変更なども要望
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