建て主の要望を重視した個性的な空間提案が特徴の谷口建築(鹿児島県指宿市)。なかでも人気なのが小幅板を1枚ずつ張ったすのこ張り天井の仕上げだ。大工として自ら施工にも携わる代表・谷口優介氏に、天井仕上げの設計・施工のポイントを聞いた。
板の張り方向は視線の向きで決める
◉住宅の天井仕上げはコスト的に選択肢が少ない。同社は黒く塗装した合板12㎜厚の上に安価な小幅板10×40㎜を1枚ずつ目透かし張りする独自の天井仕上げを生み出した。目透かしの幅は12〜13㎜
➡下地の合板を黒く塗装して板の凹凸を際立たせる。コストはクロス仕上げプラス25万~30万円
◉小幅板には通気胴縁に使うスギ15×45㎜を、10×40㎜に仕上げて使用。吹き抜けなど視線が遠い場合は幅を45㎜にする。長さは約3000㎜。4000㎜だと大工が2人必要になる
➡小幅板は上小節の柾目取りと板目取りを半々で材木屋に発注。木目がバラつくため建て主に素材感が伝わりやすい。下地を見せるには目地幅を12~13㎜にするのがよい。和室など天井が低い場合は幅6~7㎜とする
◉この仕上げは長手方向に張る。下から見上げたとき、板の張り方向と視線の方向がそろうように計画する。直交方向から見ると板同士の目地が目立たない
施工手順の工夫で作業効率を高めてきれいに仕上げる
◉現場施工の前に・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー5月号(2024年5月10日発行)天井上手は設計上手 おしゃれ天井超鉄板ディテール(P.36~)でご覧ください。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。