信用調査会社・帝国データバンクの発表によると、鎌田工務店(山形県山形市)が5月2日までに事業を停止し、自己破産申請の準備に入ったことが分かった。負債は約6億1000万円とみられる。
同社は1966年創業。住宅の新築工事を主体にリフォーム工事も手がけていた。テレビCMなど宣伝活動を積極的に行い、山形市内にモデルハウスを設置し、2015年3月期には売上高約8億8500万円を計上していた。
だがその後は、同業者間の競合激化で売り上げが減少。外注依存度が高く、売り上げ規模に比べ採算性に乏しかったうえ、モデルハウスの建築などによる借入金負担が重く、厳しい資金繰りが続いていた。こうしたなか、新型コロナ感染拡大の影響で、2023年3月期の売上高は約2億4100万円に減少。大幅な赤字を計上して債務超過に陥り、金融債務の返済条件を変更するなどしてしのいでいたが、業績の回復が進まず事業の継続を断念した。
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