帝国データバンク(TDB、東京都港区)は5月7日、4月の景気動向調査の結果を公表した。全産業の景気DIは前月比0.3ポイント減の44.1となり、2カ月ぶりに悪化。原材料価格の高止まりなどが影響し、10業界中6業界が悪化した。「建設」は同0.4ポイント減の46.6で、3カ月連続で悪化している。
「建設」の仕入単価DIは、29カ月連続で70以上を記録。原材料価格の高騰をマイナス要因にあげる企業が目立った。「施工案件はあるが人手不足により対応できない」(土木工事)などの声もあり、職人不足が下押し要因となっていることが分かる。また、新設住宅着工戸数の減少なども悪材料となった。2024年問題については、どの程度の影響があるのか見極めている段階にある様子。インバウンド需要によるホテル関連の設備投資や能登半島地震の災害復興需要はプラスに働いている。
規模別では、建設の「大企業」は商業施設や一般住宅、小型店舗などの内装工事の好調により、3カ月ぶりに上向いた。「中小企業」は2024年問題に直面し、関連する建材製造などにもその影響が波及した。「小規模企業」は部材の高騰が継続する一方で、工事価格が低下するなどにより、3カ月連続で落ち込んだ。「販売価格への転嫁が不十分」といった声も多く、利益面で厳しい状況が続いている。
建設業の好況阻む人手不足
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