越井木材工業(大阪市)はこのほど、同社が開発した新たな基礎工法「木製浮き基礎工法」(丸太材を直接基礎として用いる工法)が、1月29日にベターリビングの建設技術審査証明(住宅関連技術)を取得したと発表した。ベターリビングのホームページ内で概要書を公開している(こちら)。
建設技術審査証明は、研究・開発された新しい技術を第三者機関が客観的に評価し、その技術が持つ性能や関係法令・技術指針と照らし合わせて適切か審査し、その内容を証明するもの。今回、建築基準法に適合する新規技術と証明されたことで、新たな直接基礎工法の選択肢として同工法を提案できるようになった。
木製浮き基礎工法は、鉄筋コンクリートを丸太材に置き換えて基礎部分を築造することで、環境負荷を低減させることが可能。防腐防蟻処理を施した丸太材を井桁状に組み、土中に埋設する。これまで基礎構造は、鉄筋コンクリート造を対象に関係法令や技術指針で規定されてきたが、「建築基法上、木材を直接基礎に使用する事は問題ない」(国交省関係機関)とされたことから、同社では木構造の同工法を開発。今回、技術審査委員会によって新規工法の規定や基準、設計施工方法が客観的に評価され、建築基準法に適合していることが証明された。
同工法は、材料製造時・施工時の環境性能に優れ、解体も容易。現在は小規模な建築物(4号建築物に該当する規模)や仮設建築物を主な対象としている。今後は、倉庫・畜舎など木造化の可能性を持つ中規模建築物にも展開していきたい考え。
GOOD DESIGN Marunouchi企画展「TOKYO WOOD TOWN 2040 山と木と東京」の第2会場「TOKYO WOOD TOWN 2040 都市木造スタジオ」(東京都千代田区)にて、木製浮き基礎工法の接合部モデルを展示している。5月12日まで。入場料無料。無料配布のパンフレットも用意している。
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