セレンディクス(兵庫県西宮市)は5月7日、大型3DプリンターメーカーのExtraBold(エクストラボールド、東京都豊島区)と共同製作した「3Dプリンター製の窓」を、岡山県に施工した3Dプリンター住宅「serendix10」に実装したと発表した。同社によると、販売モデルに3Dプリンター製の窓を使用したのは世界初という。
設計に関するデータは同社が提供し、ExtraBoldは自社の大型3Dプリンター「EXF-12」を用いて、三角窓の形状に合わせた樹脂製の窓枠を製造した。素材には耐候性に優れたAES樹脂、本体はガラスを使用。規格外の特殊な形状の窓は、特注のため費用面が課題となるが、3Dプリンターで自動化することで低コスト化と自由度の高いデザインの両立が可能となった。
ExtraBoldの「EXF-12」は、最大で高さ1m、幅1.7m、奥行1.3mと大型の成形に対応するほか、出力時間が従来の機器の約5分の1と高い生産効率もあわせ持つという。
同社は、窓やドアの規格や納品までの時間が、設計の自由度や施工のスピード感を下げるとしてExtraBold社に協力を要請。今後もExtraBoldと協力し、さまざまな住宅建材の製作を予定している。3Dプリンティング技術の積極的な活用によって「住宅産業の完全ロボット化」に取り組んでいくとしている。
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