VUILD(神奈川県川崎市)は、デジタル家づくりサービス「NESTING(ネスティング)」から、施主が主体となって設計から施工までを行う「住宅キット」をリリースした。
人材不足や資材高騰が進み、限られた層しか家を建てられないという社会課題を解決する手段として、3DCADデータを3Dプリンタや木材加工機械で読み込んで造形する「デジタルファブリケーション技術」を使って資材をキット化し、未経験者でも可能な家づくりを提案。
木材のデジタル加工機「ShopBot」を使って、複雑な接合部やビス打ちの下穴、組立順序を示す番号付けなどを行なって高精度な部材を製造。キットには基礎工事部材や断熱材、仕上げ材なども組み込まれている。
基礎工事はコンクリート打設を行わず、DIY可能な杭工法によって電動工具を用いて自分たちで杭を打つ。
各部材は人が持てる10kg以下のパーツに分解されているため、重機は不要。現場で番号とビス穴を確認しながら部材を組み立てるだけで、未経験者でもスピーディに施工ができるとする。
電気・給排水などの専門工事はプロが行うが、同社に手配を依頼しても、知り合いの業者に依頼してもいいという。
また、キットとして定められているのは建物の基本形状のみで、広さや間取り、内外装の素材は専用アプリを使って施主自身でカスタマイズが可能。
同社が各工程をサポートしながら、施主家族やその仲間たちが週末4〜5回の参加で家が建つプロセスを想定している。
1棟目が香川県直島に竣工。施主の友人らが集まり2日間で躯体工事を完了し、工期は2カ月だった。
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