旭ホームズはこのほど、自社近くの住宅団地内に、リノベーションのモデルハウスを開設した。事業再構築補助金を利用し築39年の中古住宅を取得。耐震、断熱改修を施すと同時に、作業療法士の満元貴治さん(HAPROT)が提唱する「安全持続性能」を導入した。同性能の改修での導入は初で、医療関係者からも高い評価を得ているという。
安全持続性能は、住宅内事故防止や、加齢等による身体の変化に対応するためのポイント、全13項目についての基準。評価は3段階で、中間の2つ星を「推奨」レベルとしている。今回の事例は「最高」の3つ星と評価された。
既存の間取りは、同社営業部長の名藤健治さん曰く「いかにも昭和のプラン」で、洗面室、浴室も2階に置かれていた。改修後は水まわりを1階に集中させ、洗濯時の階段の上り下りを不要に。洗面室は車椅子に乗ったまま利用できる広さを確保した。
転倒・転落事故のリスクが大きい階段は、スペースを広げて踏面や蹴上げの寸法を変更。蹴上げはやや高い(207㎜)が踏面の奥行きを広げ、滑り止めや足元灯の設置によって、総合的に安全性を高めている。段差も解消し、玄関も根太、大引きを延長して三和土と床を同じ高さまで上げ、上がり框を排した。
満元さんによると、医療従事者向けのイベントで「この家なら退院後も自宅に戻ることができる」との声が多数挙がったという。満元さん自身も「リノベーションで、30~40年は長く住み続けられる家をつくることに大きな意義を感じた」と話す。
既存を生かすことで 施主の負担も軽減
間取りや内装が大幅に変わった一方・・・
この記事は新建ハウジング5月10日号3面(2024年5月10日発行)に掲載しています。
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