リクルート(東京都千代田区)がこのほど公表した「建設業界に関わる求人と転職の動向」に関する調査によると、施工管理職の求人は2016年との比較で5.04倍に増加。転職者数は3.84倍に増えていることが分かった。中でも道路やトンネル、橋などのインフラ老朽化対策に向けた工事や、民間の大規模な再開発事業に関わる工事などで、施工管理職の需要が高まっている。
同社によると、施工管理職の求人数は2016年を基準とした場合に、2019年に2.57倍、2021年に3.31倍、2023年には5.04倍に増加。それに伴って転職者数も増加している。さらに「未経験も可」とする求人は、2017年に2.32倍、19年に6.02倍、21年に9.08倍、23年には16.55倍に増加した。人手不足がより深刻となる中で、未経験者を採用して育成する動きが顕著となっている。
特に技術者派遣業界(※建設業界以外の業種を含む)では、未経験者の採用が急増。コロナ禍を経た2021年頃に大きく伸び、2016年比で9.08倍となった。その後、22年には14.60倍、2023年には16.55倍と勢いを増している。人手不足を背景に正社員として採用されるケースも増え、未経験から建設分野のスキルを身に着けた後、大手ゼネコンなどへ転職するケースも目立つという。
具体的な事例では、高校時代に建築を学んだ後、飲食業界の店舗スタッフを経て施工管理職に(10代)就いたケースがあったほか、製造業界で在庫管理、IT業界でカスタマーサポート、学校教師(いずれも20代)など、畑違いの職種から施工管理職に転職した例もあった。
管理業務の細分化、シニア層の採用も進む
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