国土交通省は5月17日まで、働き方改革の実現に向けた効率的な建設工事を推進するモデル事業を募集している。また、同事業に関するウェブ説明会を8日に開催する。
建設業では4月から時間外労働時間の上限規制が適用され、働き方改革をより一層推進することが必要となっている。しかし、現実的には多くの現場で、効率的な工事が実施できない、生産性向上に寄与する仕組みの導入が十分に進んでいないなどの課題を抱えている。
そこで、効率的な工事を実施するモデル事業を募集。対象は、建設業許可を受けた建設事業者。事業タイプは、①「タイプA:専門工事業者向け」、②「タイプB:元請事業者向け」、③「タイプC:公共事業に従事する建設事業者向け」、④「タイプD:共通」の4種類。支援内容は、1件当たり100~250万円程度。③のみ2000万円。
事業内容の詳細、応募書類の入手、説明会の参加申込みは「働き方改革の実現に向けた効率的な建設工事の促進事業」募集サイト(事務局:PwCコンサルティング合同会社)。説明会への参加申込みは5月7日17時まで。
①「専門工事業者向け」では、調査・測量・設計などを含む専門工事業者を対象に、効率的な施工に向けた試行的取り組みを行う事業を募集。例えば、駐車場確保によるクレーン車両の回送時間の削減事業、チャットツール導入による現場作業場所での状況共有の迅速化事業などを想定している。
②「元請事業者向け」では、工程管理上の問題により、後工程にある内装・設備工事業者に工期のしわ寄せが発生する課題を解決するため、工程管理を効果的に実施する試行的取り組みを行う事業を募集する。例えば、施工管理システム導入による重機稼働エリアの分散・準備作業の効率化事業、業務整理の実施と外部リソースの活用による現場職員の負荷適正化事業などを想定している。
③「公共事業に従事する建設事業者向け」では、災害時に自治体職員のマンパワー不足などにより、働き方改革に配慮した発注が行えない課題を解決するため、復旧復興に係る建設工事の発注関係事務に関する資料作成、相談対応、助言などの試行的取り組みを行う事業を募集する。
④「共通」では、ドローンを活用した出来形測量実施事業など、建設事業者の効率的な工事につながる新規性の高い事業を募集する。
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