環境省と気象庁は4月24日から、「熱中症特別警戒アラート」の運用を開始した。2021年度から実施している「熱中症警戒アラート」よりも、さらに深刻な健康被害が発生する危険性がある場合に、「特別警戒情報」として発令するもの。同アラートが発表された地域では、広域的に過去に例のない危険な暑さとなる可能性もあることから、自発的な熱中症予防行動に加え、家族や周囲の人同士で見守りや声掛けを行うよう勧めている。
発表のタイミングは、「熱中症警戒アラート」(暑さ指数:33以上 表示:紫)が前日の17時または当日の5時。「熱中症特別警戒アラート」(同:35以上・黒)が前日の14時。運用期間は10月23日まで。「環境省熱中症予防情報サイト」(PC、スマートフォン、携帯電話)、「個人向けメール配信サービス」、「環境省LINE公式アカウント」(アカウント名:環境省、LINE ID:kankyo_jpn)などで配信する。
23年度は1232回発表 東北・北陸などでも
環境省によると、2023年に発表された「熱中症警戒アラート」は、全国で1232回。特に多かったのは「関東甲信地方」の186回、「九州北部地方(山口県含む)」の171回だった。気温が比較的低い「東北」でも108回、「北陸」で135回発表されている。また、23年11月に同省が実施した調査(※)によると、「熱中症警戒アラートを知っている」と答えた人の約8割は、アラート後に「熱中症の危険性を感じた」と回答している。(※「熱中症対策推進検討会」アンケート調査)
23年度の全国における熱中症による救急搬送人員(5~9月)の累計は9万1467人で、2008年の調査開始以降で過去2番目に多い数に。発生場所別では、「住居」が最も多く3万6541人(39.9%)、次いで「道路」1万5186人(16.6%)、「公衆(屋外)」1万1742人(12.8%)、「仕事場(工事現場・工場・作業所)」9324人(10.2%)の順となっている。
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