LIXIL(東京都品川区)は4月22日、2024年3月期通期の連結業績予想(※28日公表予定)の下方修正を発表した。非継続事業を含む最終損益が140億円の赤字となる見込みで、110億円の黒字予想から一転して赤字となった。前期は159億円の黒字だった。最終損益が赤字となるのは2019年3月期以来。
新たな業績予想では、1月31日に発表した予想に対して、売上収益を470億円減の1兆4830億円、事業利益を170億円減の230億円、営業利益を120億円減の160億円、当期利益を211億円減の▲100億円にそれぞれ下方修正している。配当予想は据え置きの90円(中間45円、期末45円)だが、赤字転落を受けて株価が急落した。
同社は下方修正の理由について、不動産市場の低迷により、想定以上に住宅設備・建材の需要が低下したためと説明。特に主な収益源となる欧州市場で、インフレーション抑制に向けた金融引締め政策の長期化などにより景気が停滞し、当初計画と比べて収益性が悪化した。海外事業の収益性改善に向けては、人員配置の最適化や事業ポートフォリオの整理などの構造改革を実施。25年3月期以降には改善効果が得られる予定だとしている。
国内事業では、新設住宅着工戸数の減少に加え、窓リフォーム事業の端境期や季節要因などにより需要が一時的に減退し、収益性が悪化。金利上昇による金融費用の増加や、収益性悪化による税金費用の増加なども影響した。その一方で、価格改定効果の浸透や断熱リフォーム向け商材の売上増加、水まわり製品のシェア回復などにより盛り返し、当初計画どおりの着地となる見込みとなった。
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