LIFULL(東京都千代田区)はこのほど、65歳以上を対象とした「老卒採用」を開始した。「歳をとったら引退しなきゃ、なんてない。」をコンセプトに、これまでの経験を生かして働きたいシニアを募集する。期間は6月10日まで。
営業、クリエイティブ(コピーライター)、法務(法務部門の社内研修の企画・講師、法務・コンプライアンスのナレッジマネジメントのアドバイザー、国内・海外のグループコンプライアンスのアドバイザー)のポジションで募集。勤務地はLIFULL本社。エントリーページから応募し、書類選考、面談を経て決定する。
あらゆる人が年齢・性別・国籍などの属性に関係なく活躍するための取り組みの一環として行うもので、「老卒採用」を通じて“老い”に対する既成概念から卒業するきっかけを提供したいとしている。
内閣府の「令和5年度高齢社会白書」によると、2025年に国民の約3人に1人が65歳以上になると見込まれている。総務省統計局「労働力調査」では、2022年の就業者の7人に1人が65歳以上となっている。
一方、同社が実施した「シニアの就業に関する意識調査」では、シニア層と企業の意識に大きなギャップがあることがわかった。「これまでの経験やスキルを生かすことのできる職種で働きたい」シニアは8割にのぼるが、「5年以内に仕事を探した」人の約3人に1人は希望通りの仕事につけておらず、「年齢を理由にした偏見や差別を感じた」人は3割以上になった。
採用担当者は、8割以上が人手不足と回答しているものの、65歳以上を積極的に採用している企業はわずか2割にとどまっている。年齢を不採用の理由として考慮した担当者は6割以上となった。採用しない理由には「体力・健康面に不安」「任せられる仕事がない、わからない」などがあげられたが、「採用した65歳以上の人材が即戦力だったことがある」人は約7割だった。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。