三五(名古屋市)とノーラエンジニアリング(東京都千代田区)はこのほど、次世代配管システム「FP35(エフピーサンゴ)」の事業化に伴い、合弁の新会社を7月に福岡県豊前市に設立すると発表した。10月に操業開始予定。新会社の資本金は9500万円で、議決権比率は三五が65%、ノーラエンジニアリングが35%。
FP35は、フェライト系ステンレス鋼材の継手レス加工技術による配管システム。管と継手の一体化部材によるプレハブ工法により、薄肉軽量化と作業負荷の低減を実現する。耐腐食性、耐熱性、耐酸化性、熱疲労特性などに優れ、配管の長寿命化、CO2排出量低減にもつながるという。
世界的に脱炭素化への取り組みが加速するなか、建設業界ではLCA(Life Cycle Assessment)を考慮した、製造から解体までの各段階の温室効果ガスのさらなる排出抑制への取り組みが求められている。一方、職人の高齢化や人手不足などの課題に加え、一般的な配管システム工法では現場作業負担が大きいとして、両社は合弁会社の設立を決めた。工期短縮、施工費低減、取回し性能向上が見込める同システムによって、施工省力化やカーボンニュートラルへ貢献するとともに、建設業界が直面する課題解決やSDGs達成に貢献するとしている。
三五は自動車業界で培ったパイプ・板金プレス加工技術や品質管理ノウハウを、ノーラエンジニアリングはフェライト系ステンレス配管加工の営業、物流、アフターサービス等のノウハウをそれぞれ活用することで、相互補完体制を構築し、フェライト鋼ステンレス配管の普及と市場拡大を図る。
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