国内屈指のパッシブハウスのつくり手・アーキテクト工房Pure(愛媛県松山市)代表の髙岡文紀さんによるエコバウ建築ツアー(主催:イケダコーポレーション)視察記の2回目は、ドイツの高層も含む木造の建築群によって構成された環境モデル集落を訪れた様子などをお届けする。
ドイツのプリンツ・オイゲンパーク(木造建築を使用した環境モデル集落)を訪れた。案内役を務めてくれたのは建築家のウルフ・レスラー氏だ。
ミュンヘン市東部にある旧プリンツ・オイゲン兵舎を、ミュンヘン市が都市開発のために国から買い取った軍事区域のうちの1つという。都市計画で取り組まなければならない3つの柱として①社会的混在、②街区の発展、③エコロジカルな建築を掲げ、木造建築を使用した環境モデル集落として建設するというコンセプトに基づき、敷地の中にあった古い木を残しての建築で、周辺環境にも配慮されている。
最大7階建ての建物群は、ハイブリッド木造建築から純木造建築まで、さまざまな工法を用いて木材をふんだんに使用している。
説明をしてくれたレスラー氏が言っていた「木造建築は“成長する資源”」との言葉が非常に印象的だった。住居空間1㎡に対して何㎏の木材が使われているかという指標があることに驚いた。最低水準の1㎡当たり50㎏から最大では同280㎏の建物もあるとのこと。これまで1㎡で木材が何㎏といった感覚自体がなかったため、すぐにはピンと来なかったが、今後、家づくりを通じて環境建築を目指す以上は、意識しておくべき指標だと感じた。
この場所に建築されている建物の性能は・・・
この記事は新建ハウジング4月20日号12面(2024年4月20日発行)に掲載しています。
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