手刻みにこだわりながら20年以上、個人事業主として活動してきた大工の生形剛さんは今年1月、剛工務店を法人化した。伝統的な大工の技術を生かしてつくる、断熱等級6超・耐震等級3などを標準仕様とする高性能住宅をブランド化していこうという決意の表れだ。同時に生形さんは、事務所兼モデルハウスをシェアスペースとして地域に開放し、そこでDIYをしたい人たちのサポートも行うなどして、“コミュニティ大工”としての活動領域も広げていきたい考えだ。
生形さんは昨年、事業再構築補助金を活用し、伊勢崎市内に自社の事務所やシェアスペースなど複合的な用途で利用できるモデルハウスを整備した。延べ床面積はロフト(3坪)を含めて約10.5坪。性能面は、断熱等級7のUA値0.24W/㎡K(6地域)で、C値は0.3㎠/㎡、構造は許容応力度計算による耐震等級3。生形さんは「UA値0.3、C値0.3を上回る断熱・気密性能、耐震等級3を約束する家づくりの仕様を分かりやすく示せるモデルを目指した」と説明する。
「ほぼ無暖房」を実証
壁の断熱は、柱間にグラスウール(16K)を105㎜厚で充填し、ネオマフォーム60㎜厚により付加断熱した。屋根の断熱は、登り梁間に180㎜厚のグラスウール(16K)を充填、その上に合板を張り、垂木間にも同じ厚さでグラスウール(同)を充填し、あわせて360㎜厚の断熱を施した。基礎の断熱は・・・
この記事は新建ハウジング4月20日号9面(2024年4月20日発行)に掲載しています。
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