キッチンのリフォーム工事でのこと。吊り戸棚を電動昇降機能付きのものに交換したところ、駆動部の分だけ重くなり、設置後に壁下地が破損。実はメーカーの担当者から施工マニュアルを渡されておらず、必要な補強をしていなかった。建て主からは「使用していたら壊れた」と不信感をもたれてしまった。
問題の現場では、LDKを中心に大規模なリフォーム工事が進められていた。建て主は高齢ということもあり、食器洗浄機や吊り戸棚の電動昇降機能などを取り入れて、家事の負担を軽減したいという意図があったのだという。
「当社としては、電動昇降機能付きのキッチンは初めてだったので、取扱説明書などもメーカーの担当者に早めに送ってもらい、メンテナンスなどについてもしっかり調べて、建て主に説明できるようにしていたのですが…」。このリフォームを受注した工務店社長のSさんは無念そうに振り返る。
「施工マニュアルさえ確認できていたら…」
既設の配管が新築時の図面とは違う場所を通っていたりと、設置時には苦労したという。それでも予定通りの工期で仕上げることができ、ほっとしたのも束の間。引き渡しからおよそ1週間後、「吊り戸棚が傾いておかしくなった」と苦情の電話がかかってきた。
現場に急行すると・・・
この記事は新建ハウジング4月20日号7面(2024年4月20日発行)に掲載しています。
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