住友林業(東京都千代田区)は4月18日、恒栄資材(東京都渋谷区)、和田木材(福島県いわき市)との共同出資会社「木環の杜(こわのもり)」(福島県いわき市)の新設工場を、2026年3月から稼働すると発表した。7月に着工予定。
「木環の杜」はいわき市にて四倉工場と湯本工場を運営。いわき四倉中核工業団地内に新設する四倉工場では、国産スギを中心に国産材の製材および製材の加工を担い、主に2×4住宅で利用する構造用製材を製造する。山元・素材生産会社の原木供給から製材工場、プレカット工場および住宅メーカーまで、製材品・木材加工品を流通させるサプライチェーンを地域と協業しながら強化する。原木需給への影響を考慮しながら段階的に集材量を増やし、年間原木投入量11万㎥を目指す。開発総面積は約127.5ha、事業地面積は約10.4ha。
湯本工場は、恒栄資材の湯本工場を4月に事業譲受した。現在の輸入ラミナ(集成材を構成する板状の材、挽き板)を利用した集成材製造に加え、国産材の利用も計画している。
「木環の杜」では、住宅部材の国産材活用を積極的に進め、国産比率の低いディメンション材の国産材化に取り組むことで木材市場の活性化に貢献。国産原木の需要量を一定量保ち、外的要因に左右されない構造材の供給体制を構築する。
住友林業ら3社は、2023年11月に「木環の杜」を設立。住友林業は経営全般および原木集材や商品販売、恒栄資材は工場管理と集成材製造、和田木材は原木集材と製材工場管理を担当する。同社のバリューチェーン「ウッドサイクル」を回し、ウッドチェンジを推進するプロジェクトの1つとして展開する。
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