信用調査会社・帝国データバンクの発表によると、岡本設計工房(兵庫県加古郡)は3月29日付で事後処理を弁護士に一任し、自己破産申請の準備に入った。負債は2022年12月期末時点で約3億6150万円だが、その後変動している可能性がある。
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同社は木材問屋として創業したのち建築工事業に進出し、官公庁発注の公共施設の建設工事を手がけるほか、戸建て住宅においても実績が豊富で、地元では一応の知名度を有していた。
良質なカナダ産輸入材による高付加価値住宅の建築に定評があり、1970年ごろには全国で先駆けて2×4工法を取り入れるなど同工法のパイオニアとして事業を展開。ピーク時には年売上高約10億6100万円を計上していた。
しかし、官公庁・民間ともに建設需要が減退し、同業者との競合激化もあり業容は徐々に縮小。近年の年売上高は3億円程度にとどまり、採算性の低い工事案件が多く、借り入れ負担も重荷となり、収益は低調に推移していた。こうしたなか、2023年11月に前代表が死去。後継者が不在のため同年12月までに実質的な事業を停止していた。
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