環境省は12日、国内の2022年度の温室効果ガスの排出量が二酸化炭素(CO2)換算で前年度比2.5%減の11億3500万トンとなり、過去最少を更新したと発表した。20年度までは7年連続で前年度を下回ったが、21年度はコロナ禍からの経済回復で増加に転じていた。同省は減少の要因として、企業や家庭などでの節電や省エネ努力による効果が大きいとしている。
部門別では、商業や事業所など「業務その他部門」が同4.2%減の1億7900万トン、「家庭部門」は暖冬による暖房使用の減少などにより同1.4%減の1億5800万トン。一方、旅行需要の回復で旅客輸送量が増えたことから、自動車などの「運輸部門」は同3.9%増の1億9200万トンとなった。
森林などの吸収量を差し引いた温室ガス排出量は同2.3%減の10億8500万トンだった。政府は同排出量について、30年度に13年度比で46%削減し、50年までに実質ゼロとする目標を設定している。22年度は13年度比で22.9%減となった。
伊藤信太郎環境相は閣議後記者会見で、政府目標の達成に関し「決して容易なものではない」と強調。その上で「今後の削減の進捗(しんちょく)についても予断を許さない状況であり、引き続き、政府一丸となり対策を推進する」と述べた。
■関連記事
《独自調査》新築住宅の「光熱費」と「太陽光発電」のリアル
環境省がZEB化事業を募集 空き家から業務用施設への改修など
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。