【ニューカッスル時事】工場などから排出される二酸化炭素(CO2)を回収し、建設資材の製造に活用する国際プロジェクトがオーストラリアで10日、始動した。東部ニューサウスウェールズ州ニューカッスルにプラントを設け、2025年初頭からの事業化を目指す。複数の日本企業が参画しており、脱炭素で日豪の連携強化を図る。
同事業には、豪政府が約1500万豪ドル(約15億円)を拠出するほか、豪州、日本、欧州の企業が出資・協力する。新設するプラントでは、年間1000トンのCO2を鉱石などと混ぜ、セメントやコンクリートなどの建設資材に加工する。製造は豪企業「MCiカーボン」が担い、年1万トンの生産を計画している。
10日には、地盤整備の終わったプラント敷地で、建物の着工式を開催。ボーエン気候変動・エネルギー相らが試作品の「カーボンれんが」を地面に埋めた。ボーエン氏は「脱炭素化を進め、未来を創造する良い事業だ」と意義を強調。鈴木量博駐豪大使は「日本でも潜在的な利用者が見込める」と述べた。
日本からは伊藤忠商事や大成建設、みずほ銀行、三井住友信託銀行などが参画。将来的には国内での事業展開も視野に入れている。
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