全国建設労働組合総連合 (全建総連)が4月5日公表した「インボイス制度の導入前に免税事業者であった一人親方アンケート(第3回)」によると、インボイス登録番号を取得した人の約3割が「取引先から消費税分の上乗せがあった」と回答。一方、取得しなかった人の約4割が「消費税分の値引きがあった」と答えている。
同調査は2023年11月20日~12月25日に、全建総連と建設経済研究所が共同で実施したもので、有効回答数は2708件。職種は「建築大工」が41.7%、「その他の職種」が58.3%。普段働いている現場は、「町場、工務店などの現場」(60.3%)、「大手プレハブ、住宅会社などの現場」(15.4%)、「ゼネコンの野丁場などの現場」(13.6%)など。
一人親方の5割が登録事業者に転換
この調査によると、回答者のうち80.8%はインボイス制度が導入される前(23年9月末日時点)は、消費税の「免税事業者だった」と回答。そのうちの52.1%がインボイスの登録番号を「取得した」、41.8%が「取得していない」、6.1%が「これから番号取得する予定」と答えている。
取引先からインボイス登録に関する通知があったかについては、「特に何も言われていない」が最も多く43.5%。次いで「課税事業者になってほしい」(35.8%)との回答が多かった。「課税事業者にならないと今後の取引をしない」は5.1%で、前回調査(22年10月)から3.2ポイント増えている。
インボイス登録をした人に、取引先から支払われた単価に消費税分の上乗せがあったかを尋ねたところ、「話し合いはしていないが単価は据え置き」(52.9%)、「話し合いはしていないが上乗せ」(20.7%)、「話し合いをして上乗せ」(14.2%)の順に回答が多かった。
一方、登録をしていない人に、取引価格に変化があったかを尋ねたところ「今までと変わらない」が58.8%を占めた。「話し合いをしたが消費税分が値引きになった」は19.4%、「話し合いはしていないが消費税分が値引きになった」は17.3%となった。インボイス登録の有無に関わらず、取引価格が変わらなかった人が約半数を占めていることが分かる。
取引先から「インボイス制度の導入に向け雇用したい」と言われたらどうするかについては、「一人親方を続ける」(51.5%)との回答が最も多く、「雇い入れてもらう」の合計(18.5%)よりも多かった。
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