船場(東京都港区)は4月8日、資源循環型都市の実現に向け、森ビル(東京都港区)、チヨダウーテ(三重県四日市市)、トクヤマ・チヨダジプサム(三重県三重郡川越町)と協業し、建築物の壁や天井の内装材などで使用される石膏ボードの100%水平リサイクル「ボード to ボード」の共同実証実験を、麻布台ヒルズにて実施すると発表した。
国内の石膏ボードの廃棄量は、2032年に200万トン、2047年には300万トン超えと推定される一方、リサイクル率が低く、管理型最終処分場の逼迫が懸念されている。また、副産物として採取される石膏原料が減少し、年間約200万トン以上の天然石膏を輸入していることから、天然石膏に依存しない、廃石膏ボードの再利用化が求められている。
今回、石膏ボードの安定供給および天然資源保全の課題を解決するため、施工事業者(森ビル)、内装業者(船場)、建築資材メーカー(チヨダウーテ)、廃石膏ボードリサイクル会社(トクヤマ・チヨダジプサム)の連携により、水平リサイクルを実施。森ビルの施設開発で発生する廃石膏ボードを、トクヤマ・チヨダジプサムが独自技術で100%再生利用し、新たな石膏ボード(サーキュラー石膏ボード)を製造する。
今後、検証結果をもとに各企業間のパートナーシップにより、水平リサイクル前提の廃石膏ボードの資源循環型サプライチェーンの構築をめざす。
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