不動産経済研究所(東京都新宿区)は4月2日、2023年の首都圏1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)における新築分譲マンションの戸当たり価格および専有面積の平均値と中央値の推移を発表した。価格・専有面積の中央値調査は、2016年11月、2019年8月、2023年6月に続き4回目。
2023年1~12月の首都圏マンション価格は、都心の超高額住戸の供給が増加したことで、平均値が8101万円と8000万円台に達した一方、中央値は6098万円にとどまり、差が2003万円にまで拡大した。住戸価格は、施工費や用地価格の高騰、都心エリアの高級マンションの供給、立地を厳選する傾向が強まったことなどから、2013年以降ほぼ一貫して上昇基調となっている。前年比を下回ったのは2016年と2018年の平均値、2020年の中央値のみ。中央値は2019年から2021年にかけてはほぼ横ばいで推移しており、平均値よりも上昇が緩やか。平均値は2020年に6083万円と6000万円台に乗せ、中央値(5268万円)との差が815万円に拡大、2021年は差が980万円まで広がった。
東京23区は、都心の超高額住戸の積極供給により平均値が2022年の8236万円から1億1483万円と大幅に上昇。初めて1億円を突破した。一方、中央値は8200万円(2022年6898万円)と大幅アップしたものの、平均値との差は3283万円(同1338万円)まで拡大している。今後も、都心とその周辺エリアで高額物件や大規模タワーの供給が多数見込まれることから、高値傾向が継続し、平均値と中央値の差は2000万円から3000万円程度となる可能性が高いとみられる。
専有面積は、中央値が68.42㎡、平均値が66.10㎡で、差は2.32㎡に縮小した。2014年は平均値が71.16㎡と中央値より0.05㎡広くなったものの、2015年から2020年は平均値の圧縮傾向が強まり、2020年には65.73㎡と中央値(69.86㎡)との差は4.13㎡にまで広がった。しかし、2021年には平均値が66.86㎡と拡大し、中央値との差も2.58㎡に縮小。2021年は平均値66.12㎡、中央値68.82㎡とその差が2.70㎡に拡大したが、2023年は再び縮小した。中央値は4年連続60㎡台となり、緩やかに縮小傾向が続いている。今後も平均値・中央値ともにグロス価格の抑制で縮小傾向は変わらないものの、都心部などで100㎡以上の超高級・高額住戸の供給が目立っていることから、平均値と中央値の差は再び縮小する可能性があるとした。
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