三協立山(富山県高岡市)が4月4日発表した2024年5月期第3四半期決算は、売上高は前年同期比4.1%減の2644億5900万円。価格改定やコスト削減効果により、営業利益は同146.7%増の26億5900万円、経常利益は同70.2%増の28億2400万円となった。その一方で、能登半島地震に伴う特別損失21億1000万円を計上したことから、最終損益は5億6900万円の赤字となっている。
特別損失の内訳は、建物や設備などの修繕費、工場の操業停止に伴う災害による損失として6億9100万円、将来的な復旧費用のための災害損失引当金繰入額として14億1800万円。能登半島地震では、安全確認のため4工場(射水工場、石川工場、新湊東工場、奈呉工場)を一時停止したが、1月9日から順次再開。1月中にはすべての工場で生産を再開した。
建材事業は、ブラックポリカーボネート板のカーポートの販売が好調。さらに価格改定の浸透や「住宅省エネ2023キャンペーン」によるリフォーム需要を獲得し、売上高が1376億9100万円(同1.1%減)、セグメント利益が11億37800万円と黒字化した。利益面は前年同期より18億9100万円改善している。
マテリアル事業は、国内生産の回復により輸送分野の需要が増加した一方で、建材分野、一般機械分野で需要が低迷。売上の減少や能登半島地震による受注減などから、売上高398億1600万円(同10.0%減)に落ち込んだ。セグメント利益は、販売構成の変化や売上高の減少などにより14億9900万円(同34.8%減)となっている。
商業施設事業は、新規出店や改装需要を取り込んだことなどから、売上高312億3000万円(同2.9%増)に。セグメント利益は売上増や収益改善施策の効果により11億1400万円(同227.7%増)の大幅増となった。
国際事業は、為替影響による増収効果はあったが、欧州での販売が低迷し、売上高は554億3200万円(同10.4%減)に。販売構成の見直しや価格転嫁などの改善を進めたが、売上減少が響き、セグメント損失10億1500万円となった。
通期は10億円の赤字見込む
通期予想は、国内で住宅投資の減退で建築市場の低迷が継続していること、能登半島地震に伴う特別損失を計上したことなどから、前回予想から下方修正し、売上高は前期比5.0%減の3520億円、営業利益は同31.1%増の35億円、経常利益は同12.3%減の30億円、最終損益は10億円の赤字となる見通し。
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