北関東の建材流通店が中核となり、工務店と伴走して自社ブランディングのあり方を導く組織「ブランディング道場」は2021年に発足し、今年で4期目となる。エリア内の工務店を多数知る客観的な「流通軍師」の立場から、工務店の良さを引き出し、寄り添い続ける。基礎知識の座学や先輩工務店の視察を通じ、各社がブランドを確立するまで支える取り組みだ。これまでに卒業した道場生は20社を超え、地域工務店のブランドづくりを支え続けている。
ブランディング道場の目的は、「工務店・建築士の『自社オリジナルの家づくり』を一緒に固めていくこと」「工務店・建築士同士、横のつながりを交流・強化すること」にある。運営事務局は地域の流通店の営業が担い、全員がオストコーポレーション北関東(栃木県佐野市)代表の吉田登志幸さんが提唱する「エース営業マン王道論(流通店向け)」の考えに賛同するメンバーだ。吉田さんは、「流通営業の役目は、商品をただ売るだけでなく、地域工務店がいい家づくりを続けるための情報提供と発信を行い、良い顧客とマッチングできるようにサポートすること。工務店の悩みを聞き、社外の良きパートナーとして寄り添うこと。工務店に必要とされ、選ばれる軍師でいられるかが肝」とセミナーで伝えている。
流通店から独立し、運営事務局として参画する結めぐる(茨城県古河市)代表の篠崎未歩子さんは、吉田さんの考えに共感した1人。「工務店の横のつながりができる企画を北関東で開催したい」と、運営メンバーであるトヨタトーヨー住器(群馬県伊勢崎市)代表の北岡紀一さんと、意見が一致したことで道場が始まった。
篠崎さんは「流通の営業は数字が根底にあるからモノ提案になりがちだが、そこがゴールではない。本質的な地域工務店が、もっと陽の目を浴びてほしい」と考え「施主が幸せに暮らす住まいと出合うために、流通の立場として何ができるか」を重視する。「交流会で終わりではなく、各社の強みを見出し学び発信の機会の場を創出したい」思いが、工務店を支える原動力になっている。
工務店経営者にとっても、1人だけでブランドを確立するのは難しい・・・
この記事は新建ハウジング4月10日号3面(2024年4月10日発行)に掲載しています。
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