4月1日から「建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度」が始まった。注文住宅中心の工務店にとっては、どう取り組むか悩ましい制度だが、エコワークスはいち早く注文住宅での全棟表示に踏み切った。社長の小山貴史さんは「今後はラベルを認知している生活者が顧客になっていくはず。表示していない工務店がどう見えるか意識すべきだし、性能を強みにしているなら必ずやるべき」と、早期の取り組みを促す。
同社は2024年4月1日以降に着工する全ての住宅で、省エネ性能ラベルを表示する。住宅では任意表示項目となっている目安光熱費も、売電分が反映されない、実際の電力単価等と差があるなど問題はあるとしながらも、全棟で表示することを決めている。
ラベルは、WEBプログラムの計算結果を用いて自社で発行すること(自己評価)も可能だ。しかし、同社では以前から全棟でBELSを取得していることもあり、第三者評価ラベルを用いる。小山さんは、自己評価ラベルでは目安光熱費と実際の光熱費に大きな差が発生するなどリスクが想定されるとして「堂々とお客様にアピールするためにも、第三者評価を活用する」と話す。
工務店が同制度を活用する場合、ラベル発行の実務は設計者が担当するケースが多いと予想されるが、設計部の清原一生さんは「普段からBELSを発行しているので、制度開始後も特に業務が増えたりするわけではない」という。最近では補助事業のためにBELSを利用している工務店も増えたため、ハードルは決して高くないと見ている。
注文住宅ならではの注意点としては・・・
この記事は新建ハウジング4月10日号1・2面(2024年4月10日発行)に掲載しています。
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