環境省は、建築物のZEB化・省CO2改修の普及・拡大により脱炭素化を推進するため、「建築物等のZEB化・省CO2化普及加速事業」の募集を5月10日まで実施している。募集しているのは、(1)ZEB普及促進に向けた省エネルギー建築物支援事業、(2)省CO2化と災害・熱中症対策を同時実現する施設改修等支援事業、(3)サステナブル倉庫モデル促進事業―の3事業。
このうち、(1)「ZEB普及促進に向けた省エネルギー建築物支援事業」では、①新築・既存のZEB普及促進支援事業、②民間建築物等における省CO2改修支援事業、③空き家等における省CO2改修支援事業―など、計6事業を実施する。
①「新築・既存建築物のZEB普及促進支援事業」では、事務所、ホテル、医療施設、飲食店、集会所などの業務用建築物を対象に、ZEBの実現に必要な高性能設備機器などを導入する事業を募集する。要件として、第三者認証による評価を行い、「省エネルギー性能ラベル」を表示することなどが求められる。木材・CLTなど木質材料を用いた場合には、優先枠が設けられる。補助率は新築・既存、環境性能、延べ床面積などにより異なる。上限額は新築が3億円、既存は2000㎡未満が3億円、2000㎡以上が5億円。
②「民間建築物等における省CO2改修支援事業」では、業務用建築物を対象に、導入前の設備に比してCO2排出量を30%以上削減できる設備を導入する事業を募集。住宅および施設の内のテナント部分は対象外。サービス付き高齢者向け住宅などの施設は、建築物用途が非住宅の場合のみ対象となる。補助率は対象経費の3分の1で、上限は5000万円。
③「空き家等における省CO2改修支援事業」では、空き家などに対してCO2排出量を15%以上削減できる設備を導入する事業を募集。空き家状態が概ね1年間以上継続している既存建築物(戸建・店舗併用住宅)の増築、改築・設備改修が対象となる。改修後に業務用施設(事務所、ホテル、医療施設、飲食店など)として利活用を図ることを目的とする。住宅や民泊施設などへの改修は対象外となる。補助率は、対象経費の3分の1で上限はない。
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