日本商工会議所(日商)がこのほど公表した「商工会議所LOBO(早期景気観測)2024年3月調査」の結果によると、全産業の業況DIは-12.9で前月からの変化はなかった。物価の高止まりやコスト増が継続したほか、人手不足による受注機会の損失やコスト増に見合う価格転嫁ができておらず、業況は足踏み状態となっている。建設業の業況DIは-15.6で、前月比で2.6ポイントの減少。住宅関連を中心に民間工事の不振が続き悪化した。
先行き見通しDI(4~6月)は、国内需要の拡大や今年度事業による経済活性化などへの期待感から、産業全体では-12.2と当月比0.7ポイント増加。「2024年問題」への対応に追われる建設業は、-16.9ポイントで同1.3ポイント減となり、先行きを不安視する傾向が続いている。
個別の項目では、建設業の売上DIは-9.3(前月比-6.0ポイント)、採算DIは-16.9(+3.3ポイント)、仕入単価DIは-69.5(+0.5ポイント)、販売単価DIは+26.8(+1.7ポイント)、資金繰りDIは-7.9(-1.4ポイント)。従業員DI(※不足感)は35.8で前月から変化はなかった。
個別意見では、「自社や下請け、協力会社でも専門人材が不足している。受注機会の損失につながる可能性があるため、人材確保に向けて賃上げを実施したが、大手企業との賃金格差により離職されないか、不安が拭えない」(建築工事業)、 「公共工事の入札加点制度に賃上げがあるため、賃上げをせざるを得ない状況」(一般工事業)、「人材確保のため必要に迫られて賃上げを実施したが、それによって利益が大きく削られた」(土木工事業)などの声が聞かれた。
建設ラッシュに沸く北海道は「改善」
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