大建工業(大阪市)は4月1日、高砂熱学工業グループで空調設備工事を手がける清田工業(東京都中央区)の株式80%を3月26日付けで取得したと発表した。これにより、同社の冷暖房システム「ユカリラ」の販売において、空調の設計・工事までを含めた材工提案が可能となる。
「ユカリラ」は、エアコンの暖気(冷気)を床下に送り、ふく射と対流によって空間全体を空調する冷暖房システム。乾燥しにくく気流感が小さいため、幼保施設や高齢者施設、バドミントン競技等が行われる体育館などを中心に提案活動を行っている。仕切り板等の影響を受けずに空間全体を空調できるため、避難所で課題となっている「冬場の底冷え」や「冷暖房気流の遮り」等の解決につなげることができるという。また、熱中症対策として体育館への空調設置が推奨されており、今後の需要拡大が見込まれている。
「ユカリラ」事業では、各施設に合わせた製品ラインアップの拡充や体感ショールームの開設、開発・営業部門の設置など普及拡大に注力しているが、販売面では「材料と床工事」の提案にとどまっていたことから、清田工業の子会社化を決定。空調工事の体制を整備し、ユカリラ事業の提案力を強化した。体育館向け需要の拡大に対応するとともに、さらなる事業拡大を図る。
今後清田工業は、大建工業グループとして、空調工事も含めた設計提案、材料供給、施工、アフターサービスまでをワンストップで対応する「新たなビジネスモデルの構築」を進めていく。また、デベロッパー等へのアプローチも視野に、伊藤忠グループのネットワークも活用し、「ユカリラ」の普及を促進する。
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