9年前から耐震等級3(許容応力度計算)と断熱等級6を標準仕様としてきたアグリトライは、このほど制振ダンパーも採用しながら、自社としては初となる断熱等級7の住宅を完成させた。同住宅の実績を踏まえて、今年中に断熱等級7へ標準仕様をアップグレードしたい同社常務で一級建築士の小嶋健二さんは、完成間近のタイミングで能登半島地震が発生したことを受け、制振ダンパーも標準仕様にしていきたい考えだ。「耐震等級3は、もはや業界のデフォルト」として、プラス制振を視野に入れる小嶋さんに、事例も交えて話を聞いた。
繰り返し地震に備える
◉耐震等級3(許容応力度計算)×断熱等級6を標準仕様とするなかで、昨年、自社で初めて断熱等級7の住宅に取り組む際、施主の希望もあり制振ダンパーを採用。制振ダンパーを入れる時には、自社で標準的に提案している油圧式ダンパーの木造用住宅制振装置「evoltz(エヴォルツ)」を用いた。evoltz導入は同物件が4棟目。地震の揺れによる建物へのダメージを軽減し、高い初期性能を長期にわたって維持する狙い
◉制振ダンパーについては、別の製品ではあるものの、過去に採用したリノベーション物件で、震度5程度の地震があった際に食器棚内に吊ったグラスホルダーのワイングラスが無傷だったことなどから、経験的に効果をある程度実感として認識している
小さな揺れから効果発揮する点を評価
◉ダンパーを採用する際にevoltzに絞り込んだのは3年ほど前。選定した理由は、①小さな揺れに対しても吸収する効果を発揮しながら、大きな揺れに対してもその効果を持続、②固有周期を持たないため、共振(地震の周期と建物の固有周期が一致して揺れ幅が大きくなること)が発生しても揺れ幅を小さくできる、③壁倍率を持たない―という3点。メーカーからの説明のほかに、一般社団法人みんなの住宅研究所によるセミナーなど、制振装置に関する客観的な評価も参考にした
◉最終的に製品選定の決め手になったのは・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー4月号(2024年3月30日発行)木造再点検[超]そもそもQ&A』(P.17~)でご覧ください。
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