能登半島地震により、繰り返し地震や群発地震による建物へのダメージの蓄積が注目されている。以前から、超高性能で、世代がかわっても住み継いでいける長寿命な家づくりに取り組むサトウ工務店では、同地震が起きる前の昨年、耐震等級3(許容応力度計算)に加えて、地震の揺れを軽減して建物の損傷を抑止する「制震テープ」を標準化した。高い耐震性能を長期にわたって保持することで、住まい手の生命と大切な財産(住宅の資産価値)を守る。代表の佐藤高志さんにポイントを聞いた。
繰り返し地震への対策は不可欠
◉同社では、耐震等級3の重要性が注目された熊本地震(2016年)の前に耐震等級3を標準化。その後も各地で頻発する地震被害を受け、繰り返しの地震への対策(方法)が不可欠だと考え、検討した結果、昨年「制震テープ」(アイディールブレーン)を初めて採用し、同時に自社の標準仕様とすることを決めた
◉その後、初採用現場が完成間近のタイミングで、能登半島地震が発生。繰り返しや群発地震による建物への影響について議論が交わされるなか、制震テープの標準仕様化が適切な判断だったと、あらためて考えている
◉長期優良住宅をはじめ、住宅の長寿命化が進むなかで、耐震や断熱の性能を高めたうえで、その高い性能を長期にわたって保持することが求められる。住まい手の安心・安全を確保しながら、建物へのダメージを最小限に抑えて、長く初期性能と資産価値を維持していくために、制振装置の導入は理に適っている
住宅全体をくるむ形で揺れを吸収
◉制震テープは、高層ビルの制振装置に使われる「粘弾性体」を加工した厚さ1㎜の両面テープで、住宅の柱・梁と耐力面材の間に挟むように貼り、地震の揺れで起きる柱・梁と耐力面材のズレを軽減して釘穴の周りなど接合部の損傷を防ぐ
◉筋交いから面材に切り替えたなかで、耐力壁としての面材の強さを確認する一方で ・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー4月号(2024年3月30日発行)木造再点検[超]そもそもQ&A』(P.13~)でご覧ください。
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