日本商工会議所は29日、全国の中小企業を対象にした賃金に関する調査結果を公表した。それによると、2023年度に所定内賃金の引き上げを実施した企業の割合は72.5%となり、前年度から11.0ポイント上昇。調査を開始した13年度以降で初めて7割の大台を超えた。
24年春闘では、大企業で満額回答が相次ぐなど、大幅な賃上げが実現している。今後本格化する中小企業の賃上げが、23年度を超える割合で行われるか注目される。
ただ、実施企業のうち、業績改善が見られないにもかかわらず賃金を引き上げた割合は63.5%を占めた。日商は「依然として人材確保のための防衛的な賃上げが過半を占めており、業績回復に取り組む必要がある」としている。
調査は3月に全国の会員企業2455社を対象に実施し、1900社から回答を得た。
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