積水ハウス(大阪市)は3月28日、木造住宅の耐震性向上を図る共同建築事業「SI(エス・アイ)事業」において、湘栄建設(神奈川県中郡大磯町)と提携し、4月から事業を開始すると発表した。SI事業のパートナー企業は国内5社目、神奈川県では初となる。
積水ハウスは、木造住宅の耐震性を強化するため、昨年9月から「SI事業」を開始した。同事業で2025年度までに年間300棟の目標を掲げている。同社のオリジナル技術をオープン化し、「S(=スケルトン)」部分の基礎、躯体、接合部といったハード面と、「商標の提供」や「許容応力度構造計算」などの各種サポートを同社が担当する。施工はグループ会社の積水ハウス建設が行う。パートナー企業として、湘栄建設は「I(=インフィル)」部分の外装や内装を担い、顧客との契約や保証、アフター対応を行う。
パートナー企業は、地域での土地仕入れ力・販売力を生かし、地域特性に沿った提案を行うなど地域密着型の顧客対応が可能となる。なお、パートナー企業の販売手法や外装・内装の独自性の確保と、同社グループによる施工が伴う点がフランチャイズとは異なる。
神奈川県は「南海トラフ地震防災対策推進地域」に県内27市町が指定されており、建築物の耐震化の促進が重要課題となっている。SI事業では、同社オリジナルの耐震技術「基礎ダイレクトジョイント構法」や高精度な施工などの技術力と、湘栄建設の地域に密着して培ってきたノウハウや強みを生かすことで、顧客に安全・安心を提供し、良質な住宅ストックの形成に貢献する。湘栄建設は、「強い構造(スケルトン)」と、自社の強みである「デザイン提案力」を生かした住まいづくりを実現し、湘南エリアの顧客に提供していくとしている。
同社ではこれまでSI事業のパートナー企業として、関西住宅販売(兵庫県明石市)、ノーブルホーム(茨城県水戸市)、積豊建設(茨城県日立市)、 インカムハウス(富山県高岡市)と提携している。
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