LIXIL(東京都品川区)は3月26日、同社が展開する、地場工務店が手掛けた断熱リノベの実例集「断熱リノベの匠」で、第5弾となる事例を公開した。
SW(スーパーウォール)工法リフォーム加盟店の建築のフジサワ(岩手県大船渡市)が手掛けた築55年の木造平屋をフルリノベーションした事例で、最新のリノベーションとデザインを体感できるモデルハウスに再生した。
花巻市大瀬川に建つ老朽化した空き家に、住宅性能だけでなく空間デザインや照明計画、太陽光発電、全館空調システムまで、新たな価値を最大限に取り入れ、リノベーションの可能性を提案。断熱リノベによって継承するという新たな価値を付与し、平屋のまま夫婦+子ども2人を想定したプランに一新。一部増築・減築を行った。
和室の広縁だった部分は、ガラスで2重に覆ったダブルスキン構造に変更。空気の層をつくることで、空調負荷を低減する効果もあるという。エントランスから水まわりまでは、機能美を追求したミニマルな設えと建築化照明を採用したことで、すっきり広く、心地よい空間に再生した。
基礎部分は、ブロック基礎を補強する方法をあえて選択した。労力とコストの点から現実的ではないとしながらも、今回の経験を顧客への提案時の判断材料として活用していくという。断熱性向上には「まるごと断熱リフォーム」を採用し、高い性能を確保。改修後のUA値は0.18W/m²K、C値は0.19を実現した。
建築のフジサワでは、ZEHよりも厳しい基準をクリアした「ZEH+」を標準仕様とし、「耐震等級3」「断熱等性能等級6以上」を設定。リノベーションでも「ZEH+」仕様の新築住宅と同様のクオリティーを実現し、空き家対策や資源の有効活用につなげたいとしている。今回、代表取締役の藤澤和也さんは、新築の減少や空き家の増加など、住宅を取り巻く環境の変化に対応するため、リノベーションに着手。モデルハウスによって、リノベーションによる新たな価値を提案していくとした。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。