国土交通省は3月25日、官庁施設の木造化を図る場合に施設の計画段階や設計段階で考慮すべき基本事項や標準的な手法等を定めた「木造計画・設計基準及び同資料」を改定した。防耐火規定や混構造に関する内容を拡充するなど、中層以上の建築物の木造化にも対応した合理的な設計手法等を追加したほか、「計画」の章を新設した。適用は4月1日から。
今回の改定は、公共建築物等木材利用促進法の2021年の改正で「都市(まち)の木造化推進法」(脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律)となったことに伴うもの。同法改正を受けて決定した基本方針では、国が整備する公共建築物は原則すべて木造化を図ると規定。これまで積極的な木造化促進の対象ではなかった「耐火建築物とすること等が求められる建築物」や「中層以上の建築物」も対象となった。
今回の改定のポイントは主に2つ。1つ目は「中層以上の建築物の木造化にも対応した合理的な設計手法等の追加」。防耐火規定や混構造に関する記載・図表を拡充したほか、屋根・外壁・床・接合部など各建築部位の設計に関する記載を拡充した。
2つ目が「計画」の章の新設。木の良さを実感できる機会の提供、コスト・技術面で合理的な手法を検討しつつ木造化を検討することや、施設の立地や特性等に応じた対火災、対水害、耐久性等の性能の確保、木材調達の実情等を踏まえた適切な施設整備期間の確保など、計画段階での考慮事項を規定した。
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