労災センター共済会(東京都江東区)はこのほど、「一人親方の確定申告に関する実態調査」の結果を発表した。インボイス制度によって「確定申告の業務が煩雑になった」と感じているのは、「非常にそう感じる」(44.6%)、「ややそう感じる」(24.3%)を合わせて約7割にのぼることがわかった。調査は、インボイス制度を受けて課税対象になった、2023年分の確定申告済みの建設業の一人親方103名を対象に実施したもの。
確定申告業務が煩雑になったと感じている人に、具体的な業務内容を聞いたところ、67.6%が「提出書類の作成」がより煩雑になったと回答。次いで「領収書や請求書の保管」(52.1%)、「消費税の計算」(52.1%)が続いた。自由回答では「月次の書類の項目が増えた」「売上高の区分分け」など39の業務があげられている。
インボイス制度導入前、確定申告にかけていた時間は「10時間未満」が29.1%、「20時間以上」が22.3%と二極化していた。インボイス制度導入後は、64.0%が「以前よりも時間がかかった」と回答。「1~3時間増加した」は20.4%、「5時間以上増加した」は18.4%、「0~1時間増加した」は15.5%だった。「減少した」は2.9%だった。
また、約7割が「確定申告に関するサポートや情報がもっとあれば役立つ」と考えていることがわかった。
同社は、インボイス制度導入で一人親方の確定申告の負担が増え、適切な支援や情報提供の必要性が浮き彫りになったと指摘。今後の支援策の拡充が求められているとしている。
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