三井ホーム(東京都新宿区)は3月25日、グループ会社である甲信アルプスホーム(長野県松本市)設計・施工の木造駅舎「しなの鉄道線大屋駅」と、一体施工をした「大屋駅郵便局」が2月に完成したと発表した。同社グループが駅舎を施工したのは今回が初。
1896年に地元住民らの陳情により開業した日本初の請願駅である「しなの鉄道線大屋駅」を、老朽化に伴い建て替えたもの。駅舎改札併設郵便局で、駅舎としては施工例が少ない木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)を採用した。敷地面積は1182.34㎡(357.65坪)、延床面積は151.54㎡(45.84坪)。
全国で3例目、地方鉄道では全国初の「郵便局と駅の機能連携」を目的に、郵便局における駅業務の一体的な運営ができるよう平面計画に配慮して施工。駅の改札口・待合室と郵便局を仕切る壁のほかに壁や柱がなく、郵便局部分では屋根をトラス構造とすることで無柱空間を実現した。広々とした空間で郵便局側の業務をスムーズに進めながら、隣の改札口との一体的な運営を可能とした。日本郵便(東京都千代田区)としなの鉄道(長野県上田市)が、連携協力することでサービスや利便性の向上を図った。
同施設では屋根・壁のみに木材を使用したが、木材使用量は24.4m3で炭素貯蔵量19.6t-CO2を実現。スギの木39本分に相当し、木造化によって脱炭素社会に貢献するとしている。
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