新建ハウジングではこのほど、直近2年間で戸建て住宅を新築した生活者600人に「自宅の性能」に関するアンケートを実施した。その結果の中から「光熱費」と「太陽光発電」、2つのトピックを取り上げて紹介する。その他の結果については月刊アーキテクトビルダー4月号に掲載しているので、そちらもあわせてご覧いただきたい。
調査方法:インターネット上のアンケート調査(楽天インサイト)
調査期間:2024年2月29日~3月4日
回答者:直近2年以内に新築の注文戸建て住宅を取得した生活者600人(男女比1:1)
断熱性能が高まるほど光熱費は上昇
“我慢の省エネ”の現れか?
今回のアンケートでは、具体的な光熱費の額について聞いた。冬(2月)の金額を見ると、最も多いのは「1万~1万5000円未満」の29.3%。全体では2万円未満が6割を超えている。全国平均は2人以上の世帯で2万9986円(総務省「家計調査」2023年2月分)なので、性能のボトムアップが進む新築では確かに暖房負荷が減っていると見てよさそうだ。
ただ断熱等級の別に見ると、上位等級になる(断熱性が高い)ほど一定以上の金額になる傾向が見られる。等級7は約4分の1が「1万5000~2万円未満」なのに対し、等級4や5では1万5000円未満が半数近くなっている。断熱性が低い住宅に住む人ほど、いわゆる“我慢の省エネ”で、暖房の使用時間が短くなる傾向がうかがえる。
また、空調の運転方法別では「一日中つけっぱなし」よりも「人がいるときだけ使用する」「極端に寒い時だけ使用する」のほうが、光熱費の金額が低い傾向も見られた。高断熱住宅で無暖房というよりは、これも “我慢の省エネ”を表す結果だと言えるだろう。
夏(8月)は冬よりも金額にばらつきが見られるものの、月1万5000円未満が5割以上を占めている。こちらは・・・
この記事は新建ハウジング3月30日号16面(2024年3月30日発行)に掲載しています。
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